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2013年09月12日

北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠

8月13日~17日





4泊5日 テント泊 北アルプス縦走


4日目  黒部五郎小舎~薬師峠

雲ノ平~黒部五郎小舎はこちらから






山で3度目の朝、そして4日目が始まった。



混み合ったテン場ではあったけれども、
地面がフラットだったのがよかったのか、
3日間で一番よく眠れ目覚めはスッキリ。



いつもの用に、いつもの手順でパッキングを始める。

am4:00過ぎテントから出ると、
すでに出発している人が多いのにビックリした。



パッキングがほぼ完了した所で、
みんなで温かなスープ類を飲んで体を温め、
am5:00 テン場を出発。




昨日は曇り空で見えなかった景色が目に入る。


黒部五郎小舎の後方に薬師岳。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




テント泊用のトイレは個室が男女共用で2室しかない為、列が出来ていた。


黒部五郎小舎のベンチからテン場方面を眺めると、
朝靄に包まれたテン場の奥に傘の形をした笠ヶ岳、その左側の山、弓折岳が綺麗に見えた。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




ここで薬師沢の吊り橋でお会いした女性ハイカーさんと再会する^^


お互いのここまでの山旅の話などしながらしばらく談笑。



そして出発となった。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





黒部五郎岳へは、

稜線経由コースと、
カール経由コースの2つのルートがある。

小屋番さんに相談、
どちらのコースも魅力的で甲乙つけがたいといった感じだったので、
コースタイムの短かったカール経由に決めた。



しばらく歩くと、
白い黒部五郎岳が見えた。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




白い姿が本当にカッコ良く私の目に映る。



そしていよいよ黒部五郎カールに入る。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





その美しさはこの山旅で一番だったかもしれない。

真っ白な黒部五郎岳に真っ青な青空。

その麓の緑の草原の中を、
雪解け水の小川が静かに流れを作っていた。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





そんな美しい場所に人影はほとんどない。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




人目を気にすることなく雄大な景色を眺めながら歩き、
そして自然の空気を独り占め出来る贅沢を味わった。




カール底の楽園を歩いた後は、
いよいよつづら折りの急登へと差し掛かる。

見上げるといった言葉がピッタリの、

キツい坂道。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





見事なコバイケイソウのお花畑を縫うように…


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





今年はコバイケイソウの当たり年のようで、
あちこちで見事な大群落を見ることが出来た。



がんばって登りきった場所が、

「黒部五郎の肩」


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





黒部五郎岳の山頂には、
ここにザックをデポしアタック。


休憩&準備をしていると、
吊り橋で出会った女性ハイカーさんが、
羊羹をどうぞ、
と家族分差し出してくれた。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





この場所で食べる羊羹は最高に美味しかった♪
子供たちの顔もニッコリ顔に。


羊羹といえば熱い緑茶。

この日は山専ボトルに熱湯を入れてきていた。
ザックから粉末緑茶を取り出し、
お茶を作る。

そして羊羹のお礼に、
これぐらいしか我が家からはお返しが出来ないけど、
と女性ハイカーさんにお茶を手渡した。


そのお茶を「美味しい、美味しい」と飲んでくれる姿が、
本当に嬉しかった。



羊羹をいただいただけで、
我が家は元気をもらったのに、
大きな蜂かアブに逃げ回る私を見て、
今度は家族全員分の虫除けシールまで渡してくれた。

私はすでに耳と顔と手首を虫に刺されており、
とくに手首はパンパンに腫れ上がっていた。

そんな私にとって、虫除けシールの存在を知っただけでも大収穫。

来年の夏山はこれでしっかりとした防虫対策が出来そう!


女性ハイカーさんにお礼をいい、
我が家は山頂へと向かった。


空身がなんて楽なんだろう(笑)
ホントに背中に羽があるんじゃないかと思うほど、足取りが軽い。

楽しく山頂を目指す。

約10分から15分ぐらいだろうか。


am8:40 黒部五郎岳(2840m)登頂!



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠


背後に薬師岳。



山頂からは前日に登った、祖父岳、ワリモ岳、鷲羽岳、
そして登ることができなかった水晶岳が一望!



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






あれ、お姉ちゃんは…?

お姉ちゃんはザックをデポした場所でお留守番&食事&休憩(笑)
相変わらず「山頂」に興味のないお姉ちゃん。

のんびりと1人の時間を楽しんでいるのかな^^



山頂を楽しんで下山。

お姉ちゃんと合流し、
再びザックを背負い、
1泊目の太郎平まで、
コースタイムで4時間の道のりに出発。


黒部五郎岳の肩からは、
急坂の下り道。

疲れ防止の為に、
スピードを抑え気味にしてゆっくりと歩いた。

目の前には、太郎平小屋までの稜線の道が続く。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





なだらかな稜線にみえるが、
アップダウンの繰り返えしが確実に体力を消耗させる。


登っては下って、

下っては登って、

歩いて、歩いて、歩いて…




毎年、夏の北アルプスでは、
たくさんの人達が子供たちに声をかけてくれるが、
特に黒部五郎岳から太郎平小屋までは、
すれ違うほとんどの人たちが子供たちに声援を送ってくれた。


「こんな歳でこんな所を歩いていたら、
大きくなったら日本じゃ歩く山がなくなっちゃうな~ガッハッハ~笑、
大人になったら一緒に飲みに行こうな~」

と声をかけてくれたのは70歳をこえるおじいちゃん^^









「きっとあそこが北ノ俣岳だよ!!」


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠





なんども偽ピークに騙されてはガッカリしてきた北ノ俣岳。


pm12:45 北ノ俣岳(2661m)登頂!



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




ここでまた再会したのが吊り橋の女性ハイカーさん^^

ザックを降ろし休憩しようと腰を下ろしたら、


子供たちに「がんばったね~」と声をかけてくれ、

大粒の巨峰(ぶどう)を家族全員に2粒ずつ手渡してくれた!


山に入って4日目、
みんなの手の平にブドウがのってるなんて夢のような光景!

この時の我が家全員の目には紫色に光り輝く宝石のように見えたに違いない。


干からびた体に水々しいブドウが染み渡っていくのがわかる。


先に出発する女性ハイカーさんにみんなでお礼をいい見送った。




ぶどうを食べた子供達は上機嫌。

静かな山頂に子供達の笑い声が響く。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






残りコースタイムで1時間半。

この時点で太郎平小屋での喫茶の時間(ラストオーダー14時)に間に合わない事が確定…


子供達の楽しみは「うどん」→「カップヌードル」へとシフト(笑)

私の願いはそのカップラーメンが売り切れてませんように、となった。





出発してから15分ぐらいだろうか…


登山道の周りに広大なお花畑が出現した!



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




ツガザクラとチングルマが咲き広がる。


さほど花には興味のない子供たちの足も止まった。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






ここでふと気づく。

ここの山域には、
高山植物保護の為の立ち入りを規制するロープがまったくない…

登山道以外、大自然のままなんだ!


こんな場所を歩けたことに感謝した。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠







ここから先は、
太郎平小屋目指して、みんな黙々と歩いた。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






太郎平小屋は見えている、
でも着かない…


そんなジレンマが疲れを助長する。


neo君は「疲れた~」といい、石の上に横たわった。



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




お姉ちゃんは「疲れた」「疲れた」と常に口からもれるようになった。



子供たちの前では元気に励ますも、
実は自分もかなり疲れていたし、

父ちゃんもだいぶ足にきている模様…



木道が現れ、
あと一山超えれば、小屋だ…


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






そして目の前に太郎平小屋が見え、

先頭を歩いていた父ちゃんの、

「最初の分岐に戻ってきたぞ~」

その喜びの声を聴いた瞬間、




私の目に涙が溢れてきた。




あまりに急な出来事で、
自分でもビックリした。

感動したのか、
安心したのか、
うれしかったのか、

なんでだかよく分からないけど、
涙が溢れてきたのだ。

こんな事は初めてだった。



でもまだ終わっていない…



自分に一生懸命言い聞かせ
涙がこぼれ落ちるのをグッと我慢した。


前を歩いているお姉ちゃんが振り返った瞬間、
私の顔を不思議そうに見た。


「ほら、カップラーメン売り切れる前に急がなきゃ」


って急いでゴマかした…





pm2:40 太郎平小屋に到着。


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






到着するなり、
売店に直行~

カップラーメンを購入する。

なんと醤油、シーフード、カレーと全種類の品揃え。

がんばったご褒美に
お財布の紐もゆるゆるに…

ウィダーインゼリーに、
チョコレート、
柿の種、
裂きイカ、
アサヒビール1L缶、
ペットボトルの冷たいお茶、

お支払い総額4600円(笑)


ザックからビニール袋を取り出し、
それらを入れて、
片道20分先にあるテン場に向かう。



テン場は初日ほどの混雑ななかったが、
やっぱりフラットな場所はもうなく、
若干斜めの場所に設営。

子供たちはカップラーメンが早く食べたくて、
自分達で水場に行き、水を汲んできた。


受付に向かう。

到着が遅かったからだろう、
管理人さんはすでに宿泊者の統計に入っていた。


申し込み用紙の翌日の行程に「下山」と書く。

嬉しいような、寂しいような…


すると物静かな管理人さんが、


「ずっとお天気がよくてよかったね。

ここまできても天気が悪くて何にも景色を見る事ができない人もいるからね。」


と話しかけてくれた。



3日前に泊まったのを覚えていてくれたんだ。

嬉しかった。

まるで家に帰ってきたような気持ちになった。



とても日当たりのよい薬師峠のテン場。

テントは露でビッショリだったから、

岩の上にシュラフや衣類を広げて天日干し♪


子供たちはカップラーメンに無我夢中(笑)




北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠




父ちゃんと私は、
設営中、管理棟の前の水場で冷やしておいたビールで乾杯♪


北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠


もちろん4日間で一番美味しいビールになった!


ツマミはもちろん小屋で買ってきた裂きイカ♪


4日間も山をあるくと、いろいろと話は尽きることがない。
きっとやり遂げた、そんな顔をして、
ビールを飲んで笑っていたと思う。


そんな至福の時間は、消灯の早いテン場ではあっという間…



北アルプス縦走Vol.4 黒部五郎小舎~薬師峠






就寝の前に翌日の行程で話し合い。



薬師岳に誰が登るか?



テン場が薬師岳への登山道の途中にあり、
テントを張ったままピストンで行けるため、
子供達はテントでお留守番に決定。

父ちゃんと2人で登る事も考えたが、
コースタイムで4時間30分、テントで子供だけでのお留守番は、
まだちょっと心配ということで、
父ちゃんが行くか、
私が行くか…

決めるのはジャンケン(笑)


勝者は見事、「私」♪


父ちゃんゴメンね~





父ちゃんからアタックザックを受け取り、
この日は天日干しでフカフカになったシュラフに包まれて気持ちよく眠った。







最終回につづく




北アルプス縦走Vol.5 薬師峠~折立
北アルプス縦走Vol.3 雲ノ平~黒部五郎小舎
北アルプス縦走Vol.2 薬師峠~雲ノ平
北アルプス縦走Vol.1 折立~薬師峠
北アルプス縦走
 北アルプス縦走Vol.5 薬師峠~折立 (2013-09-17 09:06)
 北アルプス縦走Vol.3 雲ノ平~黒部五郎小舎 (2013-09-06 15:08)
 北アルプス縦走Vol.2 薬師峠~雲ノ平 (2013-09-02 08:18)
 北アルプス縦走Vol.1 折立~薬師峠 (2013-08-28 14:22)
 北アルプス縦走 (2013-08-19 08:17)

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