北アルプス縦走Vol.3 雲ノ平~黒部五郎小舎

akko(ageha)

2013年09月06日 15:08

8月13日~17日





4泊5日 テント泊 北アルプス縦走


3日目  雲ノ平~黒部五郎小舎

2日目 薬師峠~雲ノ平はこちらから







この日もam3:30起床。

いつものように支度を始めるが、
前日の疲れが残っていて、
テキパキと…というようにはいかなかった。

気合いを入れ最後にテントについた水滴をなるべく拭き取りパッキング。


まだピークを踏んでいないこの山旅で、
この日は3日目にして初のピークハント、
祖父岳、ワリモ岳、鷲羽岳がまっている。

水晶岳も行けるだろうか…

その不安と緊張が、
疲れを助長させていたのかもしれない。





am5:30 テン場を出発。

いったん小屋方面に戻り、
分岐を三俣方面へと進む。











お天気は曇り空。
そのせいかどうかはわからないけど小さな虫が多く、
顔の周りを飛び回る。

neo君は常に虫と格闘。
パチンパチンと手を叩き続けていた(笑)










その姿が可笑しくて、
そんなneo君を眺めながら歩いた。


そのうちに青空が広がり始め、











歩き始めてから約1時間、
雷鳥さん発見!











そしてam6:30祖父岳分岐。










分岐では祖父岳頂上方面、三俣方面と分かれる。
三俣方面は黒部源流を渡る。


そしていよいよ一個目のピークハント、祖父岳への登り。


ゴロゴロとガレた上りの歩きはやっぱりきついけど、
久しぶりの頂上を目指しているという感覚がなんとも心地よい。


私はやっぱり「山の頂上」が好きなんだなって実感。


朝の緊張はどこへやら…

ワクワクしてくる^^


振り返れば、雲ノ平山荘がちっちゃく見えて、
雲ノ平の広大な台地状の姿が現れてきた。











奥には薬師岳が堂々と鎮座する。





am7:00 祖父岳(2825m)登頂。
槍ヶ岳をバックに記念撮影。











祖父岳ってなんて読むのかな…
そんな疑問のまま、
家族内ではずっと「そふだけ」と小さな声でよんでいたが、
三俣山荘で「じいだけ」と読むことが判明!

まさか「じいだけ」と読むとは思わなかった(笑)

地図を眺めていると近くに「祖母岳」という山が…

もしや、と思って調べたら、

やっぱり「ばあだけ」だった。

山の名前って面白い^^




頂上につけば今度は下り道。











岩場を通ったり、ハイマツの中を歩いたり、右手方面には三俣山荘の赤い屋根を見ながら歩いたり…

ここまで調子よく歩いてきたお姉ちゃんだったが、
急にペースが落ち始める…


なんとか励ましながら、
am8:15 岩苔乗越到着。








ここも分岐になっており、
三俣方面と水晶、鷲羽岳方面との分かれ道になる。



水晶、鷲羽岳方面に進み、
am8:50 ワリモ北分岐に到着。











写真の後ろに写っているのは、
水晶岳に向かっている人のデポしたザック。

我が家もここにザックをデポして水晶岳に向かう予定でいたが、
ここまで来るのに時間がかかりすぎてしまった。

いいペースで歩いてきたつもりだったが、
コースタイムが1:45の所、3:25かかってしまっている。

この日の宿泊予定地を黒部五郎小舎から2時間手前にある三股山荘にして、
水晶岳に登る事も考えたが、
4日目の行程が8:10になってしまう。

悩んだ末、ここまで来て残念だけどやっぱり水晶岳は諦めることにした。

また来年来ればいいじゃないか!
(って自分に言い聞かす。)と

お姉ちゃんに、最後に水晶岳と記念写真、撮っていこうか^^

といって撮影したのがこちら。









お姉ちゃんが笑顔なのは、
もちろん水晶岳に登らなくてよくなったから(笑)



ここからワリモ岳に向かう。









ワリモ岳山頂付近は痩せた道や岩場の連続。

後日知ったことだが、この日、岩苔乗越、ワリモ岳付近で数件の遭難事故があったそう。








危険箇所は慎重に、
子供達に声かけしながら、
am9:15 ワリモ岳(2888m)登頂!












次は目の前にそびえ立つ鷲羽岳へ。






後方にはいよいよ雲ノ平が台地状の姿を現した。









左側のジグザグの登山道は祖父岳分岐から三俣へと向かう黒部源流コース。

北アルプスの最深部で、
台地状のなだらかな山容をした不思議な雲ノ平。

その歴史をたどってみるのも面白い。






そしていよいよam10:15、鷲羽岳(2924m)登頂。










多くのハイカーさんで賑やかな山頂。

我が家もここで作ってきたアルファ米で食事休憩。





休憩したら下山開始。









途中で鷲羽池と槍ヶ岳と北鎌尾根のビューポイントを通過。









目の前にそびえ立つ三俣蓮華岳(2841m)。

そして眼下に見える赤い屋根の三俣山荘までの急坂の激下り。











目的地が見えているというは、
嬉しいような、そうでないような…

思うように進んでいないように感じる事もしばしば…

そんな時は子供たちも疲れがますようで、

「まだつかない…」

とボヤき出す。




気力が尽き果てる間際ギリギリで、
am11:30 三俣山荘に到着。









小屋での食事は黒部五郎小舎を予定してたが、
このペースだとオーダーストップのpm2:00までの到着は微妙ということで、
三俣山荘の喫茶を利用して休憩する事にした。


父ちゃんがカレー、

neo君はケーキ、

お姉ちゃんはうどん。


あれ、雲ノ平山荘で涙が出るほどケーキを食べたがっていたお姉ちゃんなのに「うどん」なんだね(笑)

私はみんなのをちょっとずつもらって満足。










小屋の綺麗なトイレもお借りし、
祖父岳、ワリモ岳、鷲羽岳のバッジを買い、
みんな元気を取り戻して、
小屋の中庭で出発に向けて再準備。

目の前では、1日の行程を終えた人たちが、
ビールを買ったり、飲んだり、笑ったり…

そんな楽しげな姿が目に毒だったのか、

お姉ちゃんが「ここに泊まろうよ~」と言い出す。


その気持ちは本当によく分かる。


けど、時間はまだpm12:30。


翌日の事を考えると、
やっぱり黒部五郎小舎まで行ってしまったほうが妥当。

それにお姉ちゃんとは、
水晶岳に登らないかわりに、
黒部五郎小舎までがんばって歩く、ということを約束していた。


お姉ちゃんは渋々の顔。


みんなで勢いよく流れ続ける冷たい水で手や顔を洗い、
クールダウンして三俣山荘を出発。


黒部五郎小舎へは三俣山荘のテン場を通過していくのだが、

まだまだ空いているテン場に、
諦めのつかないお姉ちゃんが再度テン泊をプッシュしてくる(笑)


振り返れば鷲羽岳がドーンと見えるこのロケーションでのテン泊は、
私も心惹かれたが、
ここはそんな甘い誘惑に負けじと前へ進んだ。


テン場からの写真ではないが、
テン場から、ちょっと進んだ所から見える鷲羽岳。








そんなお姉ちゃんだから、
もちろんノロノロペース。


しょうがない、三俣山荘の影が薄くなるまでの辛抱。


neo君は調子よく父ちゃんと進み、

私とお姉ちゃんは無言でしばらく歩き続ける。


すると目の前に雪渓。









この雪渓の横断で冷気を浴びて気持ちがスッキリしたのか、
またお姉ちゃんの元気が復活!



人影もまばらな静かな登山道で、
家族でお喋りしながら、
登ったり下ったり、小屋を目指してひたすら歩く…









あんなに重たかったザックも、
すっかり体に馴染み、
もう歩行の妨げる事はなかった。










笠ヶ岳が大きく見え始めるともうちょっと。










黒部五郎小舎の姿が見えた所から急坂を約20分ほど下って、

pm3:00 3日目の宿泊地、黒部五郎小舎に到着。


テン場代は大人、子供共に1人500円。

ここも水が豊富で水はホースから出っぱなし。


テン場は小屋からちょっと離れた所。

トイレは小屋の外トイレを利用。



すぐさま生ビール…といきたいのをグッと我慢して、
急ぎ足でテン場へと向かうが…

2段に分かれているテン場、

小屋から近い一段目は空きなし…


大きな岩を乗り越えて、
一段下がった所にある2段目には…

ものすごくお隣さんのテントとギリギリだけど一箇所だけ張れる場所があった。


取りあえず張れる場所があっただけでもヨカッタ。

お隣さんにご挨拶してテント設営。




我が家のテントは真ん中にあるレモン色のテント。

テントの密集地帯の真ん中(笑)









体を拭き、水場で足を洗い、翌日の支度を全部済ませたら、
すっかり夕方…









気温も低くなってきたから、
小屋での生ビールは諦め…
缶ビールを買って、
テントの中で乾杯♪

残り少なくなってきたツマミを食べながら、夕食の準備。

といってもお湯を沸かして注ぐだけだけど(笑)


夕飯はマジックパスタ。


喜んで食べてくれる子供達の笑顔にホント救われる^^


父ちゃんと私はテントからどうしても見えてしまう、
お隣さんのバーナーでの串焼きが気になってしょうがない(笑)


「次に1泊でテン泊するなら何を食べるか…」

というお題で妄想の食事を楽しんだ。




pm3:00到着だとテン場で過ごす時間もあっという間。



それでも無事3つのピークを踏んだこと、

三俣山荘で諦める事なく、
黒部五郎小舎まで歩いてこれた事、

今日もこうやって家族みんなで笑って1日を終える事ができたこと、

本当に大満足な1日になった。



翌日はいよいよ黒部五郎岳のピークハント。
そして1泊目の太郎平へと戻る。


明日に思いを馳せながらpm7:00に就寝となった。







つづく


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